Where is Anne Frank
タイトルは、原題そのままで良かったのでは。
この映画が主張していること、問いかけたいことが、この言葉に全て込められていると思います。
アンネ・フランクが想像上の友達、キティに向けて書いた「アンネの日記」。現代のアムステルダム、ある嵐の日、博物館に展示されている日記からキティが現れる。時代が違うことに気づかないまま、キティはアンネを探して日記から過去のエピソードを追体験したり、アムステルダムの街にアンネを探しに行く。
まずアニメーションのクオリティーが高い。
そして色味がとてもおしゃれ。
意識してなのか分からないけれど、聞き取りやすい英語。
ちょっと長いけれど、子どもたちにも観てもらえる内容です。
日記を書くことになった経緯、戦争のこと、隠れ家に行くことになったこと、お母さんやお姉さんとのやりとり、お父さんの人柄、マダムのこと、ピーターとのこと。
キティがアンネを探すことで私たちも追体験しているようでした。
アンネはどこにいるの?
キティはアンネを見つけますが、それはどこか特定の場所にいるのではないのでした。アンネ・フランクは、戦争がなければどこにでもいる普通の子どもでした。
この映画が作られた2020年時点、世界各地の戦争・紛争による難民が多数いたということは、日本ではほとんど報じられていません。
数少ない為政者によって、罪もない人々・子どもたちの日常が奪われることはあってはならないことです。
たくさんの人の目に触れてほしい作品です。
無関心と不寛容こそ、人類の敵では、と思います。