若色

アンネ・フランクと旅する日記の若色のレビュー・感想・評価

3.4
実はアンネの日記を読んだことはない。
夏休みの読書感想文に選ばれがちな名著だからこそ、天邪鬼なわたしは手に取らなかった。
読書感想文も嫌いだし、それに選ばれる本なんて読むもんか精神。

だから彼女がどんな最後を遂げたのかはウロ覚え。
隠れていたのは知っていたが、オランダだったのこの映画で知った。

舞台は今、ナウ
今なら2022年から1年後の未来だという。

これがグッと胸に刺さる。
指定された過去でもなければ、はるか遠い未来でも、現代でもない。

あなたがこの映画を観た時の1年後の未来。
人の服装や持ち物は今とそう変わらないが、深刻化している難民問題。
国に方針で、難民は戦争の起きた国に帰れと言われている。戻れということは死ねと言っていることと同義だ。
でもこれは起きうることであり、ってか既に起きていて、ウクライナの惨事が起きている今、これは全然楽勝で本当になる。
今から本当の1年後、行き場を失った人たちはあなたのマンションの庭にテントを張って、難民支援のボランティアが炊き出しをする公園に長い列を作るのかもしれない。

その時に私たち大人は正しいことをできるだろうか?
ここで言う正しさは法律や決まりではなく、アンネ・フランクが問いかけ続けた正しさだ。

アニメは美しく、声優さんの発音(滑舌?)も抜群なので、英語の音もとても心地良かった。
若色

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