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いくえにも。のNORIZAPのネタバレレビュー・内容・結末

いくえにも。(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ずっと不穏な空気を感じるのは「ガスライティング」の効果かな…。

食器を割った時のなつみの反応が虐待を受けていたことによるトラウマかなと思いました。その後学校は普通…って答えるのは、なつみにとっては普通というのが一番幸せなことだと思っていて普通の環境にいられるというのが幸せの象徴のような気持ちになるのかなと。
同じようにお父さんもお母さんもそれぞれ辛い過去を経験して普通でいられることが幸せであると思っているから、毎週土曜日に同じ家族団欒を繰り返すことで幸せを感じようとしているのかなと思いました。
そしてお隣に引っ越して来た夫婦。普通の夫婦に見えて、自分達は歳が離れているっていうことが普通でないと思っているし、子どもがいない家族も普通ではないと思っていて、修平の家族を本当に幸せな家族であると羨む気持ちはあったけど、「旦那さんと家族」という言葉によって、自分も普通であり幸せなんやと実感したのかなと思いました。
修平はきっと教会に捨てられた子どもなのかなと思うけど電話ボックスでいなくなったお母さんを探し続けていて、その時に本物の家族になりませんか…の言葉に救われて、過去の記憶を無意識に封印をし、本当の家族と信じて毎週過ごしているのかな。
普通であることは特別ではないけど、普通でいられるというのは特別でもあって、普通ではなかった環境の中普通が一番幸せと思える人達のいくえにも…なのかなと思いました。

そしてひとつものすごく気になるのはタイトルにある『いくえにも。』の『。』です。
タイトルに『。』が付くことはそんなにあることではないのできっと何か意味があってのことなのかなと思うけど、同じ光景が毎週繰り返されることにそういう意味があったりするのかな…。
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