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いくえにも。のmikarinのネタバレレビュー・内容・結末

いくえにも。(2022年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

青柳監督が映画は想像に委ねるとおっしゃるので、勝手に書き連ねる。

何回観たのだろう。
初めに4回観てそれ也に納得し、それから毎日観ている。(細かく考察するため…)
観れば観るほど設定や描写の細やかさに気づく。これは連続ドラマ化出来る位の設定ではないかと思う。
初めは違和感と腑に落ちない感覚があった。
食事の風景や線路脇にある電話ボックス。登場人物のぎこちなさと音が耳に残る。何故同じ様な場面が繰り返しあるのか。
見直して気づく。食事の風景の映像の撮り方が違う。電話ボックスに迎えに来る人物が別人である(?)のに同じ服。修平の耳鳴りの音と受話器の音がリンクする様に感じる。
過去の記憶と現在が入り混じっている様に感じた。
きっと偽物家族の幸せごっこ。悲しい境遇の人達が集まって幸せを作っていく。それが例え、偽物であっても。だからこそ、普通である事、平凡な日常の一コマである楽しい家族の食事風景が描かれているのだと思った。から揚げは幸せの象徴なのか?『幸せでありたい』最初にその事に気付いた時、涙が溢れた。
何回も繰り返して観ているうちに私はこの家族がこのまま立ち止まっているとは思わなくなっていた。何故なら、偽物の家族であったとしても『本物の家族』を4人で作れているのだから。きっと今度は『幸せにしたい』人が現れて、『本物の家族になりませんか』と言う日が来るはず。本物の家族と一緒にから揚げを食べるのだろう。私はそうであって欲しいと願っている。やっぱり、ハッピーエンドが好き。
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