いくえにも。のmiccのネタバレレビュー・内容・結末

何度も何度も観ました。
最初は、冒頭の電話ボックスのシーンが後にどう繋がっていくのだろう？修平はいったい誰？他の家族もどういう設定？から始まり、回を重ねるごとに登場人物の置かれた境遇を私なりに想像することができました。
お母さんは夫と子供を亡くし、お父さんは妻と娘を亡くし、妹は何らかの虐めに苦しみ、修平は幼い頃に実母と離ればなれになり、礼拝に通っていた。
唯一家族全員が揃う場所が食卓で、食事以外はそれぞれバラバラの空間にいる家族。どこか冷たい印象を受ける。
食事のシーンを私の家族と比較してみると、明らか不自然で他人行儀に感じる。何か話題を作ろうと無理しているようにも見え、辛い境遇の者通しがお互いに本当の家族になろうとがんばっているようにも見える。
訪問者からの礼拝への誘いから、修平に実母への切ない感情が溢れだす。そして電話ボックスへ。その時の「お母さん！聞こえてる？お母さん！」と連呼する声にドキッとしました！本当の母を求めつつも、現実を受け止めようと、もがいている様子がうまく描写されている。
毎週土曜に同じシーンを繰り返しながらも、この家族に少しずつ"自然な笑顔"が増えていってほしいなと感じられる作品でした。