いろどり

田舎の日曜日のいろどりのレビュー・感想・評価

田舎の日曜日(1984年製作の映画)
3.9
この土日は花見を予定していたのに2日とも雨で出来なかった。傘をさして歩いて回るというのも良いけど、私は桜の木の下の宴会を楽しみにしていた。この花見で1年間また頑張れるというのに、膨れ上がった花見への憧れ、自然への渇望をどう満たしてくれよう。そこで花見、ピクニックに近い雰囲気を楽しめそうな本作を選んだ。結果、大正解で2回見た。フランスの片田舎の緑の中で、おしゃれなあずまやの下で、木漏れ日のテラスでブランデーや紅茶を飲み、料理を食べる人々に自分を重ね合わせ、花見をしている気分でワインを飲んだ。原っぱに白い布を敷いて本物のグラスを用意するような飲み方をいつかしてみたい。

息子より娘、孫より子供を可愛がる老画家の父親のさりげない様子に、「東京物語」でも笠智衆が「やっぱり孫より子供が可愛い」と言っていたのを思い出す。
息子家族、娘が帰り、一気に静寂に包まれる夕暮れ。寂しいけれどどっと疲れホッとする時間。寂寥感を覚えるラストは秀逸。
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