anneleia16

ケイコ 目を澄ませてのanneleia16のネタバレレビュー・内容・結末

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

↓書いててただの日記になった

ユリイカの通り、劇伴など入れる隙もないものすごい映画だった 本当に三宅唱が「馬鹿な質問はやめていただけますか」と中座しなくてよかった
ボクシングが出てくる映画は『ミリオンダラーベイビー』ぐらいしか観たことなかったんだけど、言葉を交わさなくても、スポーツってこんなにコミュニケーションなんだ、と思って初めてスポーツが面白いと思えた 最後の試合は、ほんとに全員が「目を澄ませて」いたんだね
ケイコ絶対涙流さなくてよかった ほんとによかった
ケイコが発した3回の声、3回目で少し泣いた(泣いてよかったのか?)
ケイコの話す言葉が私たちには伝わらないから(まさに分かった気にならないということである)、初めてノートの朗読で何を考えていたのか分かる時、急に解像度が上がるよね、結局ケイコがこちら側に寄せてくれたって感じなのかな
なんてったって、フィルムがすごいよ あの、会長にインタビューするシーンで、明らかにバツっと映像途切れたよね、あれだよあれ!うわー!あれだよ!もっとフィルム映画増えてほしいし、めちゃくちゃ綺麗な映像(これは景色が綺麗というものではなく、解像度の話をしている)だなと思ったら、ふと「70ミリの映像は、4K以上の画質なんだよ」と実習で教えてもらったのを思い出した あたしがお金出すからもっと作ろうよ
最近割と静かなところで会話をしたり、1人の作業が多いから去年や一昨年ほど自分が聞こえづらいことに関して気にしてなかったけど、どちらかというとケイコよりの聴力の自分としては、「わかるわかる」となり、前半部の結構キツイ他人との日常生活におけるコミュニケーションについて、あ〜うわ、キツ、になった わかんないだよねマスクされて話されると 私もわかんない(かと言って手話ができるわけでもないのでただ話を聞いてないだけになる これがむずかしい)映画ってこういうことよくあるよね、他人の個人的な体験を掘り起こすみたいな、何か これって、ちゃんと聴こえてる人にはこのシーンがどうやって映っていたのか気になる ドキッとするやつなのかな(書いててすごく偉そうで嫌だが、本当に気になる)
始まり方も終わり方と、何というか、ケイコが主人公の世界のお話ではなく、私たちが生きる社会で、ただ単に小河恵子という1人の人間が同じように生活しているだけで、ケイコが走り出してただひたすらに社会を俯瞰してショットで捉えるだけの終わり方に、助けられた気がする
バイトで手話を使う上で非常に難しい「マスク外すか問題」は永遠に解決しなさそう、でも多分、絶対マスクしてたら手話使っても何言ってるか分かんないだろうなと今日映画みて改めて感じた むず〜

12/19 追記
喫煙所というものは、「先生!この映画見ました!」と感想を述べるためにある場所なのだと思う。そういう機能をしてくれて本当にありがたいし、暫く煙草はやめたくない訳だ
やはり「分かりやすさ」を重視するテレビドラマと比べるとどうしてもケイコの良さに傾いていっちゃうし、概して静寂を表象できるのは映画の特権かも〜みたいなデカいことを言いたくなる
「silentっていうのは、どういう話なのかな」というところから、やはり私にとって聾唖者作品の原点は『愛していると言ってくれ』なのよね 先天性で耳が聞こえないはずのトヨエツが、自分の声でモノローグを話すのが今となってはかなり違和感だけど、やはりあれは良いドラマだった
実は少し手話ができるんです、と話したらめちゃくちゃびっくりされた、先生は私のことをなんだと思っているのか
anneleia16

anneleia16