このレビューはネタバレを含みます
観客一人一人が自分の持つ感覚に気付くことを意図した映画。
聴覚障害を持たない人は、耳が聴こえない人にはどんなふうに観えるのか想像しながら観ることになる。当然それは普通に観るよりだいぶ疲れる笑
監督のこだわりによって映画の中の音には細心の注意が払われているばかりか、フィルム撮影の質感はすっかりデジタルに慣れた私たちの目に強烈な印象を残す。
フィルムの映像はフィクション!って感じがして良い。一瞬で観る者をその世界に引き込んでくれる。
ケイコが会長と並んでシャドーボクシングするとこ涙腺にバーきた。目で芝居するとはこういうことかと。目は口ほどに物を言う。
こういう映画もあっていいし、なくてはならない。
会長の奥さん可愛いらしい。熟女好きになりそうだった。
自分的には終わり方が唐突すぎてエンターテイメントとしては物足りなさを感じたので4点はつけられませんでしたが、あれこそが強烈な励ましだったと思います。
ラスト以外にも荒川周辺の風景が時折挟み込まれ、現代に生きている観客一人一人にこの物語はあなたが生きる世界と地続きなんですよ、と伝えている。
ジムの閉鎖があってもケイコの日常は続いていく。私たちと何ら変わりはない。