「耳が聞こえない」ところに感動の焦点を当てていないところがよかった。
この映画のかっこいいところは、小河恵子というプロボクサーが、地道な努力を続けながら、日々生きていることを淡々と描き続けたことだと感じる。
なにかをがんばってる人にとって、こういう風に生きている人が、この世界のどこかにいるんだなって思えるだけで、心が少し燃え立つ。
16mmフィルムで撮ってることで日常の手触りを感じられて、映画全体に温かい雰囲気を出していた。
やろうと思えば、もっと激しく荒いストーリーに持ってくこともできたんだろうけど、そこをグッと耐えてくれてよかった。
そういうのを期待していた人もいるだろうけど、僕はこれが好き。
