こんなに刹那的に、前向きに、闘争的に生きている人が現実にどれほど居るだろう。
毎日漫然と仕事をして、漫然とスマホを弄って、当たり前の生活に漠然とした不満を抱いて。そういう俺みたいな人間には、漏れなくインパクトを与える映画だと思う。
ただ淡々としていて、自分の苦境に泣くこともなく、逃げず、向き合い続ける姿勢に心打たれる。
いやらしさ無く、音楽も無く、本当に純度の高いヒューマンドラマで岸井さんの演技も抜群だった。
三宅さんの映画って正直シナリオを読んだだけではピンと来なかったりするけど、映画として観ると本当に感動する。非言語の人間表現が非常に精緻。
コミカルな掛け合いで売れた今泉さんとは対照的な「映画」を突き詰めていく作家性に感銘を受けた。
