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ケイコ 目を澄ませてのmochikunのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.6
僕がグッときたのは、トレーナー役の三浦誠己、松浦慎一郎の2人が別の仕事をしながらボクシングに携わっていたことです。
警備員らしき制服とスーツで登場してきたのは、さりげなく現実を突きつけてくるシーンだったと思います。そりゃあのくらいの規模のジムだったらそうだよねっていう。
かつて二人もボクシングで名をあげようとしていた時期があって、それも何らかの事情で諦めなければならなくなって、でも好きなボクシングには関わっていたいからトレーナーに転向して、いつしか自分の手で未来のチャンピオンを育成したいという夢を持つようになったのかもしれないわけじゃないですか。そう考えると目頭が熱くなるわけです。

母親とケイコの距離感がもうちょっと上手く描けたように思うんです。
ケイコは母親をどう思っているのか、逆に母親がケイコをどう思っているのか、そのへんがどうもはっきりとは分からなかったです。
お互い気に掛けてる、気にしている存在ではあるし、過去にその関係に瑕疵が入るような出来事あったと語られてはいるんだけれど、お互いにとってどれだけの大きさの存在であるのかイマイチ分かりにくかった。
別に映画のなかで語られている以上に語ることがないならそれで良いんですけど、父親が出てこなかった分なおさら母親の存在が気になっていました。
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