音のない世界で生きるケイコ。ホテルのルームサービスをしながら、プロボクサーとして日夜激しい練習に励む。彼女にはゴングの音もセコンドの声も聞こえない。孤独な戦いを勝ち抜く彼女だったが、所属するジムは、会長が高齢の為、閉鎖を余儀なくされるのだった…というお話。
「はい」という返事以外台詞のない役を岸井ゆきのが好演、今年の演技賞を総なめにしたのも納得である。傍を固める三浦友和、三浦誠己も役にしっくりハマっている。仙道敦子、中島ひろ子ら往年の美少女も存在感抜群である。主人公に合わせたのか、音楽を一切排し、街の喧騒のみをBGMに、ドラマ性を極力避けた三宅唱監督の演出も素晴らしい。
