音楽や台詞や説明はいらなくて、生活の隅々に至るまでの洗練された音、そしてケイコの目と表情に全てが映ってた。
だから私は会長とケイコがふたりで映るシーンで涙が出てしまったんだと思う。
目覚ましのアラーム、コロナ禍のマスク、インターホン、、目に映るものは全部当たり前だけど当たり前じゃない。
そんな中で生きること、ボクシングで闘うこと、心の動き、言葉のない演技と、葛藤の末にケイコの向かう先。
こうやって観た人に先を託して心を動かしてくれる映画はやっぱりいいなあ。
余韻が研ぎ澄まされてるような感覚。
こんなに釘付けになって観入った映画は久しぶりだし、岸井ゆきのという俳優さんがとても好きになりました。