恋人の裏切り行為により鑑別所に収監された女性(若菜忍)が、所内の不文律と不条理の中を堪え忍んでいく。70年代から乱造されてきた「女囚もの」の定形を踏襲している、日活ロマンポルノ。
収監の理由をフラッシュバックで開示しながら、肉体に飢えた女囚たちの性行動を描いていく作風。メインキャスト以外にもエキストラを起用しており、既存の「女囚もの」を常連スターで焼き直しているような印象を受ける。
メインの女囚たちは「男で挫折」という同じ過去を背負った状態で入所。互いに足を引っ張り、反目し合いながらも、ゆっくりと横の繋がりを形成させていく。端役では、チクリ屋を演じる木築沙絵子が、独特の存在感を発揮している。
横暴な刑務官を悪役に据えており、懲罰と称して凌辱行為に興じる男性刑務官(下元史朗)と、強権を敷く女性刑務官(小川美那子)のはっちゃけぶりが面白い。判で押したようなドラマだが、出演者のフィジカルな演技合戦を楽しむことができる。