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やまぶきのchiyoのレビュー・感想・評価

やまぶき(2022年製作の映画)
3.5
2022/11/12
舞台となるのは、監督自身が暮らす岡山県真庭市。かつては韓国乗馬界のホープだったチャンス、刑事の父と暮らす女子高生・山吹がメインで描かれるものの、様々な人たちが繋がっていく群像劇。中でも、山吹と彼女に想いを寄せる祐介が可愛らしい。山吹の視線の先は亡き母の職業もあり、サイレントスタンディングを実施するくらい世界に向いている。が、祐介は「山吹が好き!」が前面に出ていて、高校生らしい素直さが微笑ましい。そして、チャンスを襲う負の連鎖。落石による事故、偶然手にした札束、美南たちとの別れ。地方の狭い範囲だからこそかもしれないけれど、やっぱり大なり小なり人は人に影響を与えると思う。ただ、本作のテーマのひとつである家父長制社会については、あまり感じ取ることが出来なかったのが残念。チャンスに光が見え始めるラストにホッとした。
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