ダオ

皇帝のいない八月のダオのレビュー・感想・評価

皇帝のいない八月(1978年製作の映画)
4.0
1978年につくられた山本薩夫監督作品。現代の日本で自衛隊のクーデターが起こったらという構想のもと三無事件をモデルに描いた小林久三の原作を映画化したもの。

「戒厳令」というと五木寛之の小説を思い浮かべましたがこれまたなかなかに熱い映画でした。この映画にブチギレしているレビュアーさんいますがなるほど右寄りの人からしたらそうなるかぁ。

が、なぁ、今のこの現実を見たらどうだろう、こういうクーデターなんて起こらなくたって連中の目指した世の中になりつつあるんじゃないかな? 喜ばしいことなんじゃないの?

あたしがグッときたのは、この映画にてクーデターを起こす側も阻止する側も錚々たる役者陣が参加していて、しかも命を賭していて、太地喜和子さんも吉永小百合さんも無惨に散っているにもかかわらず、結末をつけたのはエキストラ役者である外人ふたりが演じた在日米軍中佐とアメリカ大使ってところ。山本監督が言いたかったのはこの点に違いない。敗戦国ってこういうことよね。
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