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君は放課後インソムニアのnemのレビュー・感想・評価

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)
2.8
作りがいびつ

タイトルとポスターのルックに惹かれてみてみた
原作未読

不眠症という題材は新鮮味がある
眠れないという経験は誰しもあるわけだし、多少共感する事もできる。

役者のお芝居は割と好感がもてる。
特に森七菜さんには力があり、画面の端に写っているだけで観客の視線を惹きつける
シンプルにぴょんぴょん跳ねてるだけでめちゃくちゃ可愛い。
主役の冴えない存在感もすごくリアリティがあって良かった。衣装さんの功績も大きいと思うがあの年代の雰囲気がなんだかピッタリだった。

しかしそれ以外は酷かった。
原作通りのシーンなのかもしれないが、一本の映画として作るならエピソード削るか登場人物を削るか、引き算をしないといけないと思う
映画としての起承転結がまとまっていなくて、各エピソードが駆け足な割に全体の上映としてはドライブ感もなく、とても長く感じて見ていて退屈だった。

細かい部分でも色々言いたいことはある
観望会が雨で中止になって主人公が癇癪をおこすシーンだが、ホントに意味がわからない。
ああなってしまう理由がちゃんと描かれていないのでシンプルに、は…?となった。
理由を描けないんだとしたら観客に寄り添うように別キャラクターが「え、あいつ急にどうしたん?」みたいなセリフ入れるだけでもだいぶ違和感が減ると思う。

北極星を中心に星がぐるーんと回るシーンもちょっと受け入れられなかった。
ときめきを視覚化したのかもしれないがアングルも色味もイマイチで魅力的には到底見えなかった。

主人公が撮った写真も、もっと凄いものだと見えるように写せなかったのか…?

各エピソードで細かい山場を作りすぎたせいでラストシーンも、え?これで終わりなの?という状態になる。

題材も役者もいいのに
これは監督の責任なんでしょうな。
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