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われ弱ければ 矢嶋楫子伝のyoshikoのレビュー・感想・評価

われ弱ければ 矢嶋楫子伝(2022年製作の映画)
3.2
矢嶋楫子に関心があり、見る必要があって見ました。手練れの俳優陣をそろえ、劇的な要素に事欠かない素材だけれど、心に響かなかった。女性への差別の描き方が型にはまっていて、「差別を努力して乗り越え、他の女性たちを救った女性」という通りいっぺんの物語になってしまったからだろう。夫が酒乱なのは侍の時代が終わったからなのか? 楫子の姉妹や周囲の女性たちが楫子に冷たかったのは単に封建的だったからか? エンドロールで唐突に四賢婦人(楫子ら姉妹)の紹介があって、すごくもやもやする。それに、楫子とその同志の女性たちはたくさん登場するけれど、楫子に「救われる」女性たちの姿は不分明。父親に売られる少女の姿が出てくるくらいだ。その父も酒乱なのだが、DVは酒のせいなのか? 楫子とその時代に関する様々な情報(それはそれで貴重)が、情報のままにとどまってしまっていて、残念だ。
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