このレビューはネタバレを含みます
ホラーなんだけど、根底にあるものが切なすぎた。
ままならない人生と、若さっていう呪いと、「善人」への皮肉。
わかりやすいグロさとか滑稽さとかあって、すごく純粋な面白さなんだけど、その下地にはままならなかった若き日の自分な人生を今もう一度取り戻したいという老婆の気持ちや、神父(牧師？)が説く良き人のはずの老夫婦が殺しをし、悪の存在である主人公たちは老夫婦に手を貸したり親切心を見せるという神の矛盾がある。だから、面白がるたびにそこを思い出して、複雑な気持ちになった。ただそのなんとも言えない気持ちになること自体がすごい楽しくて、面白い映画だった。
面白ポイントいっぱいあったけど、1.打ちひしがれるRJ、2.お約束のようにベット下に隠れる主人公そっちのけでセックス始める老夫婦が特に好き。
1.打ちひしがれるRJ
ロレインが撮影に感化され、私も出演する！！ってジャクソンとセックスをする、それを撮るRJ。もうこの時点でだいぶん呆然としてて面白いんだけど、そのあと一人でシャワーに打たれて、茫然自失になってるのが最高に面白かった。これはポルノの枠を超えた高尚な映画なんだ！と言ってのにね〜このザマ〜
2.セックス
書いた通りなんだけど、緩急が良かった。そもそも前提として老婆は、戦争のせいで夢も若さも失い何もままならない人生だったと感じていた。そこに、若さ溢れる主人公たちがやってきて、自分も「女」を取り戻したい気持ちが強くなる。そんな思いを老翁に打ち明けて、二人でセックスを始める。このシーンが二人の愛を感じられて好きなんだけど、その下では主人公が殺されるのではと戦々恐々としてるっていうのがすごくよかった。上は大火事、下は洪水これな〜んだってなぞなぞの新たな答えだなって馬鹿なこと思ってた。
