少しずつ解けて無くなっていくように別人に変わっていく認知症の母と、戸惑いながらも乗り越えようとする息子カップル。
認知症と介護という重いテーマがどこか小洒落たどこかコミカルな雰囲気の中に繊細な機微の変化がリアリティを持ちながら、フランス映画らしいわちゃわちゃっとした会話で紡がれる。
面談シーンやベッドルームの壁紙や小物の背景とペアルックの色使いや柄使いが独特でそこで言葉以外で語られる要素がオシャレで好きでした。
取り戻すことができないなら、それを精一杯受け入れて前に進んでいくしかない。そうすればその過程を美しいと楽しめるときが来るかもしれない。