Rita

オードリー・ヘプバーンのRitaのレビュー・感想・評価

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)
3.7
"無償の愛"を与える女性。

永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在のスター。ユニセフ国際親善大使として苦しむ世界中の子供達に生涯愛を注ぎ続けるのだった。

幼少期に経験した父親による裏切り、そしてナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ったオードリーは過去のトラウマと一生涯向き合わねばならなかった。この経験は彼女のバレエダンサーになるという夢を奪い、私生活にも影を落とすこととなった。

オードリーの生い立ち、美しいと評される中、彼女は自分自身に自信がなかったという話は学生時代に小説で読んだことがあったので知っていましたが、彼女がどんなに深く傷ついていたのかを初めて知りました。

人からの愛をもらうのではなく愛を与えることを選択したのは、今までの彼女の寂しい経験から自分と同じ思いをして欲しくないと子供の為を思う行動なのだろう。どんなに美しくても自分が自分を愛せなければ幸せにはなれない。

世界一愛されていた女性が、愛に飢えていたのだ。こんなにも悲しい事実に一人耐えていたのは辛い。スターの座を捨てても彼女にとって本当に幸せなことは子供たちと普通の家庭を築くことだった。外見だけでなく中身の美しさまでも綺麗な女性。誰もが彼女を羨むなか、彼女自身のコンプレックスが、人間関係、結婚生活など全てにおいてオードリーを苦しめていた。

人から愛をもらうのは難しいけど人に愛を与えることは簡単だよね。無条件に与え続けると、時に愛は返ってくる。彼女の苦悩と魅力を知ってさらに好きになりました。またゆっくりとオードリーの作品を観賞していこうと思います。
Rita

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