とても重い出来事があったことを一瞬忘れてしまうほど、疾走感というか突き動かされる感がひしひしと伝わる作品。
原作は未読ですが、恐らく、原作漫画の勢い、疾走感がそのままスクリーンに描かれていたのだろう。
ただ、ここは私の好みとして、そうしてしまったら、この作品の一気に駆け抜ける感は減ってしまうことは十分承知の上で、もう少し、しんどい場面ほしかったかも……。原作未読の初見では、いきなり、疾走状態から始まるので、走る前の沈み込みっていうのかな、落ちるところをもっとぐっと落としてほしかったみたいな感じはある。いや違うな、こうやって振り返るとマリコの抱えてた地獄は伝わるのだけど、映画だと作品全体の疾走感に少し埋もれてしまって、地獄を実感する前に気づけば走り出してた感じ。ただ、これは完全に私の好みなので。なんとも。
親友の死に突き動かされる衝動、慟哭。
それらを体現する永野芽郁さんが素晴らしく。また、マリコを演じた奈緒さん、マキオを演じた窪田正孝さん、それぞれいつもとは違う姿で、よかったです。
にしても奈緒さんは、そういう役をやっているイメージはあまりないのに、すごくよくやっている感が出ている程はまり役。
幸運にも、完成披露試写会に参加させていただき、永野芽郁さん、奈緒さん、タナダユキ監督のお話を聞くことができた。
永野芽郁さん、奈緒さん、が魂を削って演じたことも伝わったし、何よりご本人たちを見た後に映画を見ると、ほんとに別人だった。永野芽郁さんとか顔つきも違ってなんか、今作の彼女はシム・ウンギョンさんに見える瞬間もあって、なんか不思議だったなぁ。
