その手紙は、きっと、残された日常
突然死んでしまった親友マリコ(奈緒)の遺骨を抱えて、マリコの行きたがっていた海を目指すシイノ(永野芽郁)の旅を描くロードムービー。
最初に見た「百万円と苦虫女」を超える作品になかなか出会えなかったタナダユキ監督作だけど、やっと出会えた。85分のタイトな尺にシンプルなストーリーながら、ブラック企業や毒親による生きづらさの中に少しの優しさを感じられる良作。
キャスティングも絶妙で、既存イメージを覆すワイルドな永野芽郁もなかなか良かったが、毒親から虐待を受けて依存体質になってしまったマリコ役は、顔で笑いながら心が泣いている感じが滲み出てくる奈緒の真骨頂。生命エネルギーの少ない感じの窪田正孝もハマってた。