ペコ

マイ・ブロークン・マリコのペコのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.5
親友の死を知った女性が、遺族から遺骨を奪い旅に出る物語。ヤンキー気質な性格のシイノトモコを演じた永野芽郁。父親から虐待を受けて心を病んでしまったマリコを演じた奈緒。若手演技派女優2人の高い演技力が非常に見応えがありました。
シイノの「どんなに心から心配してみせたって、そんなもんじゃどうにもならない所にあのコはいたんだよね」という台詞が印象的。辛くて苦しくて逃げ出したくても逃げられずに生きている人にとっては、優しさだけでは救えないのかもしれない。人を救うって難しいこと。絶望の日々の中で生きていく中で、マリコにとってはシイノが唯一の希望であり心の拠り所であり依存できる存在だったのだろう。父親や彼氏に傷付けられて自ら死を選んだマリコのために、親友として何が出来るのか。シイノの行動は破天荒ではあるけれど、それでもあの行動力は素晴らしいと思う。マキオの「死んだ人に会うためには生き続けなくてはいけない」というセリフ。そう、マリコのために出来ることは自分が今を生きること。僕も似たような経験があるので共感できる部分が多かったです。展開に盛り上がりが少なかったのが惜しいとこでしたが、この作品を観て心が救われる人はいると思います。良い映画でした。
女学生を追っていた男が何者だったのかと、ラストシーンでトモコに宛てたマリコの手紙の内容が気になりました。
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