格闘シーンの全てが本物。
この御時世、それだけで稀少価値がある。
早いカット割りで、よく分かんないけど凄いことやってる風に見せるカメラワークや、ワイヤーやCGを使っての視覚的なトリックは無し。
当時はフィルム撮影だから次のフィルムを入れ替えた際の繋ぎの部分でアクションシーンが被った時だけ、一瞬不自然に動きが早くなるけど、それ以外は下手な演出も一切なし。
引きのカメラで延々と演者の動きだけを見せて、それだけで見る者を納得させてしまう迫力。
中学生時代に見たままの迫力というよりも、役者本人がアクションをやらずにスタントダブルが当たり前になった昨今のアクション映画状況に慣れた身としては、よりインパクトが強かった。
今やジェット・リーの名で世界的な名声を得ている若きリー・リンチェイの動きには只々感嘆し、その美しさには息を呑んでしまう。
ストーリーはシンプル。
父の仇の悪いヤツを懲らしめる。
これだけ。
でも全編に渡る中国の雄大なロケーションと格闘シーンがこれでもかと挿し込まれ、ストーリーの単調さを補って余りあるというか、寧ろ込み入ったストーリーなんて視聴の邪魔になるだけかもしれない。
それだけの映画です。
最後に。
ラスボスのワン将軍は後ろに控えて部下に悪行を強いるだけでなく、戦いであっても先陣を切って敵をKILLしに来る姿に、なかなかの漢であるとお見受けした(笑)