ALBAのOdyssey

アバズレのALBAのOdysseyのレビュー・感想・評価

アバズレ(2014年製作の映画)
3.4
~少女の危険な夜、短編だからこそ鮮烈に描かれる恐怖~
不穏な雰囲気と衝撃の展開。

「SLUT」は、監督のクロエ・オコーノが手掛けた短編ホラー映画で、平凡な町に住む若い女性が体験する恐怖の一夜を描いている。物語は、彼女が控えめな自分を変えようと勇気を出すものの、その決断が思いもよらない危険を引き寄せてしまうというもの。

本作の最大の魅力は、わずか数分の尺ながらも、不安と恐怖を見事に盛り上げる緊張感ある演出だ。静かに始まる物語が徐々に不穏さを増し、観客の想像力を掻き立てる。おすすめのシーンは、主人公が一人で夜の町を歩く場面。周囲の環境が彼女に敵意を向けるように感じられ、恐怖感がピークに達する。

短編映画としての制約から、キャラクターの深掘りがやや不足している部分はあるが、それを補うほどの緊張感と鮮烈なメッセージがある。「SLUT」は、女性に対する社会の偏見や暴力を鋭く描いた作品で、ホラー映画を通じて現実の問題に目を向けさせる力を持っている。