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苦い涙のFancyDressのレビュー・感想・評価

苦い涙(2022年製作の映画)
4.0
一言、傑作!!!

オゾンってこういう作風を得意とする作家なんだよねとあらためて再認識した次第。つまり、この毒々しさと瑞々しさ!オゾンは既に巨匠の域だから、前作『すべてうまくいきますように』のような重圧な問題作も撮れる作家でもあるのが、本来のオゾンの色は本作『苦い涙』の方にこそ色濃く写っている。

本作はファスビンダーの『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』が原作だが、本家のファスビンダー監督作品が124分の上映時間であるのに対し、本作は85分である。これは凄いことである。どうしたら、85分でコンパクトにおさめれるのか?
私は元のファスビンダー作品を見ていないので、なんとも比較できないけど、二時間超え、三時間超えのような垂れ流し映画が蔓延っている現在の映画の中において、85分という上映時間は実にスマートで素晴らしい。流石、オゾン!!

オゾンの初期の作品であり、本作と同じくファスビンダー原作の傑作『焼け石に水』が好きだという人には、本作を特にオススメしたい。

ダンスシーンもあります。w 必見!!!
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