ShinMakita

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのShinMakitaのレビュー・感想・評価

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☆俺基準スコア:2.2
☆Filmarks基準スコア:3.4




1968年シカゴ
弁護士の妻として何不自由なく暮らしていたジョイ・グリフィンは、第二子妊娠を機に心筋症が悪化してしまい、中絶しなければ命の危険があると医師に宣告されてしまう。しかし当時は中絶が違法とされていた時代。やむなくジョイは闇の堕胎医を探すのだが…



「コール・ジェーン」


以下、全ての女性たち、ネタバレせよ。

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妊娠を止めなければ間違いなく死ぬ、という状況じゃなければ中絶が許されない時代、悩む女性たちのために堕胎を行っていた女性たちのグループ〈ジェーン〉を描いた作品です。バレてはいけないクライムもののスリルもありつつ、女性の権利について考えさせられる社会派要素もありつつ、ジョイという1人の女性の覚醒と自立のドラマだったなと思います。隣人ラナから〈ジェーン〉へとジョイの意識が変化していくさまが分かり易いですよね。
題材に対して作風は非常にライトで、娯楽的シスターフッド映画としても楽しめました。

〈ジェーン〉のリーダー、バージニアを演じたシガニー・ウィーバーが好演で、堕胎医を手玉に取ってブラウス脱ぐとこなんか笑ってしまったな。ジョイ役のエリザベス・バンクスも良かったけど、この人「コカイン・ベア」の監督だと知ってるとギャップに驚くよね。ニコール・キッドマン系の女優さんだから、今回の役はハマってたけど。



…産婦人科研修の時、先生が「二つだけ覚えて帰れ。〈外来に女性が来たら妊娠と思え〉〈母体と胎児、優先すべきは母体である〉」と言ってたのを思い出す。貧しくて子を育てられない、レイプされて妊娠した、持病があって出産が危険…色んな理由や事情があるなかで70年代まで中絶が違法だったとは軽く驚き。〈ジェーン〉やジョイのやってたことを諸手上げて賛成とは言い難いけど、それは現代人の意見だもんな。彼女たちに賞賛は惜しみませんよ。


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さて余談。実は先週から虫歯が化膿して顔が腫れるまでに至る悲惨な状況になりました。そんななか、外来を変わってくれた2人の優しい同僚女医さんに感謝感謝です。女性たちには感謝と尊敬しかない、今日この頃なのでした^_^
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