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家をめぐる3つの物語のdrophamのレビュー・感想・評価

家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)
3.8
【Ⅰ.内側で聞こえて紡がれるウソ】
丘の下の小さな家で暮らすある一家が、金持ちの親戚から散々嫌味を言われて腹立たしい思いを抑えるために、一家の大黒柱であるレイモンドは森へ行く。その夜、彼は不思議な乗り物でやって来た紳士と出会い、丘の上に建つ立派な屋敷を譲ってもらうことになる。条件は「今の小さな家を手放すこと」である。娘たちは嫌な予感をしていた。

子供たちが親の都合に振り回されていて可哀想に感じました。大きい家に住むと優越感があっていいかもしれませんが、家族のコミュニケーションが薄れてくる印象になります。GTOで鬼塚先生が家族とのコミュニケーションを取り戻すために、壁を破壊していたのを思い出します。



【Ⅱ敗北の真理にたどり着けない】
ある街に建つ邸宅を買取り、リノベーションを施して儲けようとしたネズミの男がいた。予算の都合からリノベーションを自らの手で作業するが、大量の虫が湧き出て仕事が進まない状況である。資金を借りた銀行から催促の電話がかかる中、ようやく内覧会にごぎつけることができた。その日内覧にやって来た夫婦が、料理や宿泊まで強要するようになり、結局住みついてしまう。

ネズミの世界のお話で、リノベーションした家を内覧する人がいきなり変な人でアンラッキーだなと感じました。虫が湧き出る家だとしんどいですねー。



【Ⅲ.もう一度耳を傾けて、太陽を目指して】
洪水で水没した街に建つアパートを経営しているネコのローザは、そのアパートの住人がまともに家賃を払わないイライアスとジェンしかいなく、住人不足で困っている。なんとか住人を増やそうと、建物を素敵に修復しようと努力をする。

水没している街にいるのがとてもしんどそうに感じました。アパートを買っても人が入らないとただただお金がかかって大変だなと感じました。これが未来世界なのかなと少し不安になります。


一つの家で、物語が幾通りもあるとなるとまだまだ楽しい物語や悲しい物語が作れそうな気がします。
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