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MEG ザ・モンスターズ2のRのネタバレレビュー・内容・結末

MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館で。

2023年のアメリカの作品。

監督は「レベッカ」のベン・ウィートリー。

あらすじ

太陽の光が全く届かない、暗闇の世界「マリアナ海溝」。潜水レスキューのプロ、ジョナス・ステイラー(ジェイソン・ステイサム「ワイルド・スピード/ファイアブースト」)は研究チームと共に人類未到の地へ挑むが、そこで最恐の巨大ザメ、メガロドン、通称MEG「メグ」の群れを解き放ってしまう!

前作「MEG ザ ・モンスター」はステイサムvs巨大ザメ!という座組みが話題を呼び、日本でもスマッシュヒット!かくいう俺も映画館では残念ながら観られなかったんだけど、特にクライマックスにかけるステイサムの絵力の強さに笑いながらも圧倒され、配信で何度も観るくらいには好きな作品。

で、そんな1作目から5年の時を経て、待望の続編!!しかも、監督は前作のジョン・タートルトーブから、個人的に大好きな「フリー・ファイア」の監督ベン・ウィートリーにバトンタッチということで、これはもう映画館で行ってみっか!ということで微妙に季節はずれてしまったが滑り込みで鑑賞してきました!

お話はあらすじの通り。

まずは、冒頭からアガる!!太古の昔、恐竜が跋扈する時代から始まるんだけど、小虫がトンボに食われて、トンボがトカゲに食われて、そのトカゲがイグアナみたいなやつに食われて、最後に出ました!!恐竜界のキング・オブ・レジェンド、ティラノサウルスが登場!!水中でバクゥー!!とイグアナを丸かぶりしてむしゃむしゃして、やはりこの世界の王はこのティラノ…と思わせといて水中からメガロドンことMEGがグワァバクゥー!!!予告でもあったけど、この世界の「頂点捕食者」はこのMEG様だー!と言わんばかりの登場とその後の「MEG2 THE TRENCH(原題)」こりゃアガらざるを得まいて!!

で、そっから現代パート。Queenの「Under
Pressure」にのせて、我らが主役ステイサム演じるジョナスが登場!!不法投棄する悪人たち相手に貨物線でアクロバティックな逃亡劇&アクションシークエンスを見せつつ、去り際には両手ファッキンポーズ👯‍♀️で海にダイブというステイサムらしい茶目っ気溢れる登場シーンだった。

で、そこから本編に入るんだけど、今回どうやら前作から5〜6年後かのお話で、まずびっくりしたんだけど、あん時の可愛らしい少女だったメイイン(ソフィア・ツァイ)がめちゃくちゃ成長してる!どうやら前作の子役ちゃんをそのまんま続投させてるらしくあの頃に比べると鼻が伸びちゃってキュートさは多少薄まったけど目元はあん時のまんまで、親戚のおじさんばりに「大きくなったねー」とちょっと感慨深い。他にも前作からのマック(クリフ・カーティス「トゥルースピリット」)とかDJ(ペイジ・ケネディ「S.W.A.T」)とか出てきて、良かったー、前作からしれっとチーム総入れ替え的なパターンじゃなかったー!と思ったら一番びっくりしたのが前作のヒロインでメイインのお母さんだったスーイン(リー・ビンビン「ガーディアンズ:呪われた地下迷宮」)がなんと2年前に亡くなってる…マジかよ!!リー・ビンビン忙しかったのかな?

で、その代わりにスーインの兄貴で施設を引き継いだウー・ジン(「1950 水門橋決戦」)演じるジウミンが新登場というわけ。

で、このジウミンさんがなかなか有能で、海底でも活動できるパワードスーツ的な潜水服を開発したり、なんと今作では稚魚から育てて、既に飼い慣らされているMEG、通称「ハイチ」を調教できる音波ボタンを開発してたりする。

また、この「ハイチ」飼育されているということで、なるほど終盤ではジョナスに加勢する味方になる流れなのかな?と思っていると、見た目は前作のMEGに比べて小ぶりでルックも白くてつぶらな瞳が可愛らしいんだけど、なんか知らんけど(癖なのかな?)、時々黒目が完全に白目剥いたまま泳ぐ姿が抜群にキモい!またジウミンの調教装置にも反応してるのか、ただボタンを押すジウミンを取り逃がしたのかわからない感じで、ジョナス曰く「絶対にMEGは人に懐かない」のことば通り、育てられたとはいえ、なかなか相容れない感じ。

で、序盤、早速前作ではあまり探索出来なかったマリアナ海溝に遂に潜水艦2艇で赴くことになるんだけど、そこもなぜかハイチが脱走していたらしく追っかけてくる。

で、なんとかハイチの追撃を掻い潜ったは良いものの、なんと本作の悪役となる一味が海溝に豊富にあるレアアース目当てで秘密裏に潜っていたらしく、その一味のリーダーのモンテス(セルヒオ・ペリス=メンチェータ「エクストレモ」)がその場から逃げるために爆弾を起爆したことで、ジョナスたちは海溝に取り残されてしまう。

で、そっからはなんと潜水艇が使えなくなってしまい、潜水服を着て徒歩で施設まで歩くことになる…っていくらなんでもそれは強硬突破過ぎないか笑!!ただ、今作サメ映画としてはステイサムに重きを置いてしまっていることで他のサメ映画につきものなサバイバル要素が薄かったウィークポイントを埋めるべく、その分このパートでそこの弱点を埋めてくる。道中ではサメ以外にも色々な不可解な生物が生息しており、「何者か(それについては後述)」に若手の男性職員が背後から連れ去られたり、パニックになって潜水服の空気が無くなって、そのままMEGに食われたり、冒頭のシーンでも出てきたティガレックスみたいな模様のイグアナが襲ってきて、ヘルメットにヒビが入って、後もうちょっとで脱出というところでひび割れて空気圧で圧死してしまうなど、前作以上に特にステイサム以外の生き死にサバイバルが描かれていたのは良かった。

加えて、爆発でハイチを含めた3匹のMEGに追われて、途中で襲われるんだけど、そこも暗闇の深海の中でイグアナも途中参戦しての大スペクタクルな戦闘シーンが挟み込まれるなど退屈はしない。

ただね、いかんせんこのパートが長すぎる!!多分この映画の評価が「3.7」とイマイチ伸び悩んでいる最大の要因はここだと思うんだけど…やっぱ観客の大半はMEGが観たいんよ!!これは絶対的に外せない要素で、ここでの人物同士の生き残りとか裏切りとかそういうのはもう良いから早くステイサムとMEGの戦いを見せやがれ!って話。

確かに深海でのバトルもあるにはあるけど、やっぱ暗くてイマイチその脅威が伝わりにくいんだよね、観終わってみると後半の戦いとの対比になっていて、まぁこれはこれで良かったなと思えるんだけど、この時点では何も解決していないし、MEGの群れを一網打尽にする時間があるのかとヒヤヒヤしながら観てた。

ただ、ここで我慢した後は犠牲を出しながらもなんとか生き延びたジョナスたちと海溝から「その他」らと共に潜入してきたMEG3匹たちが遂に戦場を海上に移しての「ご褒美タイム」!!戦場の舞台は常夏の楽園「ファン・アイランド」。前作以上にパリピ、セレブどもがキャッキャウフフとバカンスを楽しんでいるその場所にMEGたち海溝モンスターたちが襲いかかってくるんだけど、いやぁもうこのパートがそれまでの観客のフラストレーションを全回収するかの如く、とにかく楽しすぎる!!

前作では割りかし、モブの被害が少ないように感じたんだけど、今回は水陸両用かってくらい浜辺に侵攻してきて、観光客たちをまるでパックマンみたいに食べまくるっ!!しかも、今回はMEG視点で観光客が食べられていくまでを主観で映すパートがあって悪趣味すぎるっ!!もっとやれ!!

あと、MEG関連の描写でいうとその前の施設のパートで、実は裏切り者だった仲間の1人、ジェス(スカイラー・サミュエルズ)がこれまた黒幕だった施設に投資しているヒラリー(シエンナ・ギロリー「でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード」)との通話中、前作でも出てきたMEG耐久性のある窓の前で悪巧み通話しているんだけど、「ここは絶対大丈夫」とたかを括って通話していると後ろからバクゥー!と「ディープ・ブルー」のあの有名なシーンオマージュかの如く食われるシーンがあってウケた!!

それ以外でも後から追ってきたモンテスたちも交えての三つ巴の戦いに発展していくんだけど、ここでのごちゃごちゃはMEGの被害と平行して描かれるので、全然フラストレーションは溜まっていかない。それよりも割とジョナス以外の男性陣が意外にいい活躍をしており、例えば前作でジョナスと腐れ縁の親友的なポジションだったマックがジウミンと組んでイグアナたちを一網打尽にしたり(その前の施設のパートでの意外なポンコツっぷりを発揮するお茶目さもワロタ)、特にDJ!!彼は今作の隠れたMVPでしょう!前作では完全なコメディリリーフ的なマッチョなのにビビりキャラだったわけなんだけど、今作ではその肉体を生かして複数の敵を一人で倒しちゃったりとめちゃくちゃ活躍しており、背中に背負っためちゃくちゃ不釣り合いなブランドリュックから色々な道具を取り出して戦況を打開していくんだけど、終盤、メイインがイグアナに襲われそうになる間一髪のところでリュックから取り出したマグナムで撃退するシーンはチキンキャラが努力に努力を重ねた末に遂にヒーローとなった瞬間を目にするようで、不思議と目頭が熱くなった!!

後はジョナスと共に二番手の主役となっていくジウミン!!MEGやイグアナと同じく海溝から飛び出した隠れモンスターってのが、実は大ダコなんだけど、終盤でなんか別の映画と錯覚するかのような大ダコメインで襲われるパートでそこにいたメイインも襲われてしまい、その触手で絡み取られそうになるんだけど、乗ったヘリからダイブして爆弾で大ダコを撃退する場面はとにかくカッコよかったなぁ!!まぁ、ここは中国資本な分、あちらの俳優さんにも華を持たせないとねって大人の事情も伝わるんだけど、それを抜きにしてもキャラクターとしてのカラッとしているのも併せて好きなキャラクターだった!!

ただ、なんといっても今作の人間側の主役はステイサム!!この映画の「モンスター」はMEGでもイグアナでもタコでもねぇ!俺だ!と言わんばかりにMEG3匹を相手にお手製爆発槍3本を背中に背負ってジェットスキーに飛び乗って戦う様は男の中の男!!そっからたった1人でMEGと海上チェイスしたり、その猛攻を華麗にかわしたり、極め付けは爆発槍をMEGの頭にブッ刺して爆死させるカタルシスぱねぇー!!

そして、クライマックスではMEG3匹の中でも一番長く生きて顔相も凶悪極まりないボスMEGと対峙して、船の甲板の廃材みたいなのを地面にブッ刺して「こいよ、こいよ〜!」とまるで「モンハン」大剣みたいな格好で待ち受けた後、突進してくるMEGの顎をそのまま貫いての脳天串刺し!!前作とはまた違った決着の爽快感を感じさせつつ、やはりこの世界の頂点捕食者はステイサムだぁーー!!と言わんばかりの喝采を送りたくなるくらいカッコいいシーンだった!!

ただ、なんだよ大ダコ出てくるんだったら、人間じゃなくせっかくだったらMEGと戦わせろよー、このまま終わりかよーと思っていると、なんとジウミンの一撃を食らった後に帰ってきたハイチと海中でくんずほぐれずの怪獣大海戦を繰り広げてくれて、おぉ!!やるじゃん!!となんかすげぇお得な気分になった!!

というわけで「モンスター」から「モンスター"ズ"」となった分、MEGの数もその面白さも、そしてステイサムのかっこよさも数倍にパワーアップした本作!!大味バカ映画だとバカにするなかれ、個人的にはめちゃくちゃアガって楽しめる前作以上に最高な映画でした!!まだ間に合う!!オススメです🦈!!
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