まめだいふく

ナタリーの朝のまめだいふくのレビュー・感想・評価

ナタリーの朝(1969年製作の映画)
3.0
 今を時めく俳優たちの映画デビュー作を観てみようシリーズ『あの人は昔』、アル・パチーノ編。

 「今は不幸でも あすには幸せかも」

 自分は不細工だと思っている女の子ナタリー。母親からは「大人になったら美人になる」と励まされて育てられたが、成長しても美人にはなれなかった。
 そんな彼女が一念発起して親元を離れて自立。一人暮らしを始めたアパートの下の部屋に住んでいる絵描きの男性と知り合ったことから、彼女の人生が大きく動き出す。

 ……いやナタリー美人じゃん。そりゃあ絶世の美女とはいかないけれど、普通に整った顔立ちだと思うけどなあ。自分の顔のどこが気に入らないんだろう。女心は分からないや。
 そんなナタリーは自分を卑下し過ぎて、何だか性格まで悪くなっていく。これは恋なんて夢のまた夢……と思ったのも束の間、イケメンアーティストとの運命的な出会いが。
 ここからナタリーはどんどん綺麗になっていく。恋する女性は綺麗になるって本当ですな。

 本作は、人の美しさとは何ぞやというのがテーマとなっているヒューマンドラマと言ってもいいかもしれない。ナタリーの叔父ハロルドの瓶の話は金言だったし、結末も安易なハッピーエンドではない点から見ても、単純な恋愛ものではなかった。

 さて、肝心のアル・パチーノの役どころだけど、序盤のパーティ会場で、ナタリーを強引にダンスに誘う男性を演じている。しばらく踊って、ナタリーが乗り気じゃないと気付くと急に冷めてどっかへ行っちゃう。一応トニーという名前があるが、劇中では呼ばれない。出番はこれだけ。ほんの1分弱くらいかな。正直「何だったんだあの男は?」という感じだった。
 
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