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牛久のKYOのレビュー・感想・評価

牛久(2021年製作の映画)
4.1
観るのに相当な気力が必要と躊躇していたが、行って良かった。鑑賞後に監督のトークショーもあった。
作中では制度や政府が悪いと言っていたが、それらを作っているのは人。現状を変えられるのは日本国民だけ。自分も当事者なのだと改めて認識できたことは大きかった。
一番衝撃的だったのは「制圧」と称される入管が許可した映像。許可が出なかった映像は、と想像するだけで胸が詰まる。そして職員の方々は良かれと、正義だと思ってやっているのかもしれず怖くなる。
ルールを破って(隠し撮り)でも中で起きていることを伝えたいという監督の使命感を支持したい。
人権侵害の真っ只中にいる人が声を上げたり、発信すること、話を聞いてもらうのはなかなか難しい。
ただの傍観者でいると加担しているのではという恐れがある。
声に耳を傾ける、声を叩き潰さない。
小さなことかもしれないけど、あらゆる差別や偏見に対してそうありたいと思った。
石川大我議員を知ることができて良かった。

精神が病んでしまうで思い出したのが、精神科の身体拘束。閉鎖病棟だと拘束されたまま食事を詰め込まれたり、排泄もオムツやおまるだと耳にしたことがある。
中が見えづらい、声を上げにくい、非人間的な状況はどう変えていけばいいのだろう。

〜だから人権は認めない、は非常に危険。
どんなバックグラウンドを持つ人でも全ての人の人権が平等に守られる社会を切に願わずにいられない。
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