青山

ブラウン・バニーの青山のレビュー・感想・評価

ブラウン・バニー(2003年製作の映画)
3.8

かつての恋人を探し彷徨う男のお話。



始まってから70分ほどはPV風のプロローグ。これがまぁたしかにな、長いんです。正直一生懸命じっとは見れなかったけど、音楽と荒い映像の感じはタイプだったのでタラ〜っと流しみしてる分には素敵でした。
ただこの辺で主人公の抱えるどうしようもない気持ちが淡々とじわじわと伝わってくるので、話がはじまる終盤20分くらいの部分で一気にガッと持っていかれました。
セックスシーンが本物と聞いていたのでフェレイシオだけなのに驚きましたが、それはそれ。ボカシが絶妙に輪郭の影くらいが見える感じだったけどそこもそれとして。



............しんっっっっっど!!!
こりゃしんどいよギャロちゃん〜〜っ。
私は個人的にここまでしんどい経験をしたことはないんですが、このラストで感じる色々な感情自体は身に覚えがあるものが多く、そうした過去の自分の経験、気持ちをめちゃ増幅して見せてくるような話だったのでなかなか刺さりましたね。
結局のところのもはやどうすることも出来ず、何を考えてもどうにもならない、この思考が、この作品自体がもはや無意味でしかない、という点のとてつもない虚しさ、それでも考えてしまう虚しさ、あとなんとなくギャロという人の顔に漂う虚しさ、そういったあらゆる虚無が襲ってきてメンタル弱ってる時に見たらそのまま死んじゃうかもしれない映画でした。
メンタル弱ってなくて命拾いしたよ。やれやれ。
青山

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