マツモトタクシー

伝説の登山家 亡き父を追ってのマツモトタクシーのレビュー・感想・評価

3.8
マックス・ロー監督作品



ヒマラヤの雪崩で命を落とした伝説の登山家アレックス・ロー
全てのクライマーの憧れでありヒーローだった
16年後に遺体が発見される

生き延びた彼の親友で登山家コンラッド・アンカーは後にアレックスの妻ジェニファーと再婚し彼の子供達を育てる

やがて成長した長男マックスが記録した家族のドキュメンタリー



命懸けのスポーツであるので家族を持たないクライマーも多いのだとか。。
この作品を観ても残された家族や親友達の喪失感が痛々し過ぎる
ボクシングやF1ドライバー等の危険が伴うスポーツの家族は同じ気持ちで出来たら止めて欲しいという気持ちとの葛藤なのかなと感じた

亡くなったアレックスと常に多くのトレーニングや現場で一緒だったコンラッドはある種の戦友のような濃さで自身が生き残ったことを責め続ける
そして彼の妻ジェニファーと再婚し彼の3人の息子の父親にもなる
周りからは色々言われたが彼なりの喪失感を埋める行為だったのだろうか。。

3人の息子は成長して長男がこの作品の監督をする
彼は物心が付いていたので弟達とは捉え方が違うようで下の2人はコンラッドのアンカー姓を名乗っているが彼はローを名乗り続けている

伝説の登山家のドキュメンタリーというよりは残された家族達のわだかまりと暮らし振りを伝える作品

長男は育てて貰ったし不満は無いようだけど何故直ぐに再婚したのかが引っ掛かっていたのだろう
母親にその事を質問する場面は普段は中々聞けない事柄だが映画を通してだからこそ長年聞きたいのを躊躇していた様だか思いきって聞いていた正にドキュメンタリーだなと思った😀