EmiriSuzuki

PLAN 75のEmiriSuzukiのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.8
カンヌスペシャルメンションで一気に注目高まる早川千絵監督「PLAN75」凱旋プレミア上映会に友より声がけいただき参加。生の倍賞千恵子さんを一目みておきたい一心でいましたら昨日の報が入り、監督はカンヌの熱量を携えたままに東京へ帰国し登壇、倍賞さんの生歌まで聴けてしまってプレミアすぎました。

カンヌの「ある視点(UN CERTAIN REGARD)」は、1999年受賞の「Beautiful People」を観て感動して以来ずっと、いちばん好きで毎年楽しみにしている映画部門賞だ。

「PLAN75」はダニエルブレイクのことを思い出しつつ、日本ではノマドランドのような生き方もできないし、など淡々と、この過酷さに震えた。

もしも(体裁的には)尊厳を持って、自ら死を選択することも推奨される/選べるようになったら、75歳どころか、独り身の55歳や45歳だって、望む人は出てくるだろうな、などと考えたりした。

高齢者だからもう人生十分全うした、とか、まだ若いから生産力として貢献しないととか、どちらも同意しかねる。

それにしても、「わたしは、ダニエル・ブレイク」と「人生フルーツ」が上映されていた2017キネ旬ベストテンから4年ほどで、日本も全然、この先、人生フルーツを夢見ているだけではいられない現実を浮き彫りにする作品が出てきてしまったんだな。

…それにしても映画の話ではなく最後にふたたび倍賞さんの話に戻るが。草笛光子さんといい倍賞千恵子さんといい、SKD(松竹歌劇団)出身者の女優様たち恐るべし。歌い踊るというベースがあることが人生にどれだけ重要か、を思い知らされた。ああかわいかった。

そして磯村くんは凄い役者になっていく。