どの登場人物視点に立ってこの物語を見ても辛くてしんどい。
では、このPLAN75という制度は一体誰のためのものなのだろうと思う。
制度で外堀を埋めて、ジワジワと追い詰められていく。
そこに垂らされた蜘蛛の糸は死への一本道。
10万円を貰ってプチ贅沢をして、安らかに眠りにつく。
あたかも自分は納得して死を迎えるように錯覚させられる制度の闇に、純粋な恐怖を覚えた。
何よりいつかは自分の番がやってくることになるのに、なんの疑問も無いのだろうかとも思う。
結局、国と経済を維持するために、誰にリスクを背負わせるかという時に、時の権力者次第ではこんな極論に近い制度が生まれるのかもしれないと思った。
そして、このような題材の作品が生まれてしまう時代になってしまったことが、ただ残念だった。