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PLAN 75のaimoのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.5
少子高齢化が進んだ近未来の日本。満75歳から自分の生死を選択できる制度「プラン75」が施行される。死を選択する高齢者、それにかかわる人々を描く。
主人公の角谷ミチ(78歳)を演じる倍賞千恵子が秀逸である。

非常に重いテーマであり、嫌なメッセージを持つ映画であるが、物語は淡々と進んでいく。淡々と進んでいくからリアルであり、嫌な気分になる。しかし、若者も含めて多くの人にこの映画を見てもらいたい。
私自身も成人に遡るよりも、75歳に到達する方が短い年齢になった(両親も75歳を超えている)。いろいろと考えさせられる。

今日は参議院選挙の投票日である。全ての政治家にこの映画を見てもらい、日本の将来をどうデザインしていくのかを問いたい。今の日本の状況を考えると能力のない政治家に税金を使って給料を払う余裕はない。

現在の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は28.9%、2050年には37.7%に到達する(国の予測は甘いので、現在の少子化の状況を鑑みると2050年の高齢化率は40%を超えると思われる)。
ちなみに老年基礎年金(満額)は月額65,075円(令和3年)である(年金は年々少しずつであるが減り始めている)。真面目に働き年金を支払っても、暮らしていける額ではない。

生産性がなく、コスパの悪い人間は社会に必要のないのか。日本社会に社会的弱者を守る余裕がなくなったのか。どちらにしろ、この国はモデルチェンジする必要がある。若者から高齢者までが幸せに暮らせる国になるように。
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