高齢者役者の層の厚さに驚く。
無名だが皆良い演技。
警備員姿の倍賞千恵子が衝撃的。
シワのすごさも含めて、ここまで落魄した姿を演じる役者魂に敬服する。
近未来だとすると、倍賞千恵子ら老人たちは現在の10代20代くらいの将来の姿か。
磯村勇斗演じる甥が良い奴だったが、最後の行動は疑問。ここに時間を割くより、倍賞千恵子の行動と心の揺らぎをもっと追ってほしかった。
しかし将来的には少子化で、甥も姪も激減しているだろう。
移民シークエンスは少し消化不良。
単純労働移民として描かれているのはちょっと古臭い。近未来なら日本なんかに出稼ぎに来ないだろう。むしろ日本人が東南アジアに出稼ぎに行ってるはず。カスタマーセンターの女子を移民にしたほうが、近未来の日本の立ち位置もわかって更に衝撃度が高まっただろう。
照明もショットも秀逸で、画面の佇まいが良い。海外共同制作の賜物か。
処置の日に、福は内鬼は外の節分の声が聞こえたが、節分は歳取りの日。象徴的な日である。
