評価4.0にしたけど、観てるのが辛くて心が抉られた。もう観ることは無いと思う。
完全フィクションのディストピアだと思いたいけれど、今の政府はこれをしそうだし、こんな法案が可決されそうになっても渋谷でデモは起きないだろうな。
どんなにあり得ない内容でも、その法が施行されて世間に運用されるときは、正しくて安心で快適なサービスかのような顔をして日常をジワジワと侵食してくる。それがこの映画の中で一番怖いところで、そして日本社会の特性を如実に表現していた、ここに関してはノンフィクションで吐き気がした。
PLAN75はお年寄りに安楽死を選択する権利を与える行政サービス。
それに関わる色々な立場の人の視点で描かれていて、誰のことも責められないのも辛かった。
子供がいて育てなきゃいけない人、お金がない若者、炊き出しをする人、このサービスに従事してお金を得て生活してる人、サービスを利用する人、安楽死を進める人が一つのシステムの中で生活していてその非日常ささえも当たり前に内包されている日常が、平和で穏やかな世界に描かれているのが辛かった。
親しい人たちには愛されていた記憶で満たされてほしいな、と祈る。どんなに体が老いても若くても、人の感情には年齢が無くて、人は誰かに愛されていたいし、誰かと一瞬を共有したいし、誰かに話を聞いてほしいし、明日の約束をしたいし、好きな人を思い続ける。
