鹿shika

PLAN 75の鹿shikaのレビュー・感想・評価

PLAN 75(2022年製作の映画)
3.7
超高齢化問題の解決策として導入された制度・プラン75が定着してきた日本。夫に先立たれ、一人で暮らす78歳の主人公・角谷ミチはこの制度に申請する。

日本は映画制作に対して、潤沢なお金がないからハリウッドのようなSF大作映画は無理なんだ。

だからこそ、こういうSF映画が作られてるのがとても嬉しい。
日本の映画のアプローチはやっぱり脚本だと思うんだよね!

今作のテーマは、超高齢化社会における安楽死。孤独死をすることもなければ、老人ホーム待ちや、家族から介護してもらわなくてもいい。

そんな世の中になったら、間違いなく安楽死を選ぶんじゃないかなと思う。
賠償さん演じるご老人役が、本当にリアル。定年退職したはずなのに、お金に困って働かざるを得ないし。

そういう父を送り出すために、車で送る息子の心理描写。

そしてplan75のサポートセンターで働く20代のOL。

思考実験というか、本当にこういう制度ができたらこうなるんじゃないかとリアルに感じることができる。

音楽も少なく、常に曇り空で、画面が明るくなることがない。
室内の描写も、雨が降ってるのかな?というくらいの湿気を感じる、そんな作品だった。

とても上質な撮り方に魅せられた。という感想かも。かなりいい映画。
鹿shika

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