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スージーQのodyssのレビュー・感想・評価

スージーQ(2019年製作の映画)
3.5
【スージー・クアトロの半生】

1970年代に一世を風靡したミュージシャンであるスージー・クアトロ。その半生を描いたドキュメンタリー映画。

70年代前半に大学生活を送った私だが、スージー・クアトロの存在は知っていたものの、ファンだったわけではない。メロディに乏しいハードロックにはあまり興味が持てなかったからだ。彼女の人気は、若くて小柄で可愛い女子が、黒いレザーに身を包み、男のギタリストを従える形でロックをシャウトしているのが視覚的にチャーミングだからだろうと思っていた。

この考えは、本作品を見ても変わらなかった。音楽的には、今でも彼女に関心はない。

しかし彼女の生涯には色々と興味を惹く部分がある。

当初は故郷であるアメリカのデトロイトで、姉妹と一緒に音楽活動をしていたものが、やがて英国のプロデューサーから声をかけられ、スージー単独で英国にわたってデビューすることになる。
しかしこれによって姉妹と父から、距離を置かれてしまう。
その辺のゴタゴタが、今からみると興味深い。

スージーは英国などヨーロッパ、そしてオーストラリアで人気があった。日本でもTVコマーシャルに登場するなどした。だが故郷のアメリカではあまり人気が出なかった。
その辺の分析が、このドキュメンタリーでは十分ではないのが、残念である。

しかし結婚や、意外に堅実な実生活についても触れられているので、ミュージシャンの半生を追ったドキュメンタリーとしては合格点だろう。
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