くずみ

(ハル)のくずみのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
3.8
パソコン通信によるコミュニケーション。文通より速く、LINEよりもどかしい。Windows 95の普及前後のためか、映画内では一部の人が楽しむツールにとどまっている。通信画面の表現は実験だったろう。

回線の向こうの見知らぬ相手だからこそ、率直になれると同時に、リアルにつながる情報をさらけ出すことをためらう。その心の綾が積み重なり、一度も会ったことのない二人の距離は縮まっていく。

この頃の深津絵里には、新幹線のイメージがまだあっただろうか。「ふたりっ子」直前の内野聖陽は初々しい。二人は篤実に日常を演じる。男性陣に俳優が本業でない人が多い。つくりものでない空気を出したかったのかもしれない。
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