ゾンビに詳しくなるか、滅茶苦茶強くなるしかないのね。
イギー・ポップ最高。
世知辛い出来事が次々と少年に降りかかる。友情をはじめとする打算なき存在は、彼の手をすり抜けていくばかり。久我美子の徹底してドライな世渡りはなかなか。
道を行くことがそれぞれにドラマチック。なのに後を>>続きを読む
自分の知ってる滝の白糸じゃないんですが。こういうのもありなのか。
この役に若尾文子は早すぎる。菅原謙ニの欣弥が、新派の二枚目風真っ直ぐさでいい。沢村貞子の生活描写の板につき方。
丁寧に作られた時代劇。梅安と彦次郎のバディ感が強まっている。そのせいか、おもんが居心地悪そうに見える。抱き合う時の姿勢も影響しているが。
ある人物に関して「女はこわい」で済ませずに、彼女なりに必死に生>>続きを読む
懐かしの映画の、あの場面もこの場面も彼らが支えていた。エピソードに登場する人が顔出しで証言しているとほっとする。死ななかったんだ。
そして夢の跡。命がけの称賛に終わらず、これからのスタントを模索してい>>続きを読む
遊民街なんて出てきやしないけど、丹波先生はいついかなるところでも丹波先生。コスモポリタン。
「海苔弁」に相当する言葉は他国にあるのだろうか。この事例においては両サイドともに、自らの拠り所である法に対して真摯だった。彼らほどタフでなく、この場所にたどり着けなかった人々の存在を忘れてはならない。>>続きを読む
二階から汽車が見える。
心と身体を休めるヒロインは澤村契恵子。唇をかみしめた表情など、なるほど紀伊國屋である。
彼女の気持ちがほぐれるまでいささか時間がかかるのだが、小淵沢周辺の風景や地域の人々の言動>>続きを読む
カラーで『歌行燈』。
芸道ものというよりラブストーリー感強め。
日本家屋での構図が巧み。階段の途中で不安をかき立て、引きの画面でラストまで引っ張る。
過去の映画化での五十鈴様は、そうはいってもなんと>>続きを読む
実景の中で文楽人形が生きているよう。通常の客席からの見え方とは異なる、人形自身の視界を思わせる角度からの映像が新鮮。天満屋で床下から見上げる徳兵衛と、二階から見下ろすお初など。メイキングがあったらすご>>続きを読む
「すずしい言葉だね」
鏡花の台詞はうたってこそ。その点舞台役者が有利だが、宍戸開も真っ直ぐに健闘。
アップを多用せず、玉三郎の全身の優美さを押し出しているのがいい。南美江の薄と島田正吾の桃六が記録され>>続きを読む
1952年クロサワ作品のリメイク。
同僚の眼を通した物語として再構成し、冒頭の効果を含めて過去の寓話らしく理性的にまとめている。選曲も素直。
病への対応や生活習慣は時代や国、宗教で異なるので、万人に>>続きを読む
強大なアメリカの中でひっそりと生きる人々が、クリーチャーに心を寄せる。水底のようにくすんだトーンで描かれる60年代初め。“彼”の造形は、既存のイメージを踏襲しつつ、受け取る側によって人にも怪物にも見え>>続きを読む
自分の悪さを自覚して生きるヒロイン池内淳子。妻の気配がウザいのは誰のせいでもない。岸田今日子から中谷昇へのリレーに笑う。ぽや〜んとした仲代達矢が不憫。全てを察しながらにこやかに近所付き合いをする、乙羽>>続きを読む
いろいろ盛りすぎだが、栗原小巻の女優力を堪能できる一本。萩の街はこの一家の話題で持ちきりだ。
岡部冬彦の漫画を映画化。タイトルバックは役者に寄せた描き下ろし?
小林桂樹のチャームゆえか、無責任男以前のためか、明朗サラリーマンものに仕上がった。背広姿でラビットスクーターを乗り回すケイジュは、グ>>続きを読む
豪華かつ大味な長谷川一夫の銭形平次映画を、三隅研次が撮るとこうなる。クリスティ風トリックを匂わせつつ。
彼らしい大胆な省略や構図と小ネタ連発との取り合わせは、今ひとつだけど嫌いじゃない。祭は勿論挿入。>>続きを読む
狭い家の中でツノ突き合わせる四人家族。よかれと思ってする言動も噛み合わない。そんな悲劇的な様相は、側から見れば喜劇でもある。田中絹代うますぎ。聞こえてるんなら何とかしようモリマ。彼らが鎧を脱ぐ日は来る>>続きを読む
音楽、色彩、表情、テンポ、犬。
帰ってきたカウリスマキは、やっぱりカウリスマキだった。
ラジオから流れるロシアのウクライナ侵攻のニュース。フィンランドの位置と歴史を思えばそれは身に迫るものに違いない>>続きを読む
フェリーニ的な回想と思いきや。過去の自分と向き合って行き着く場所。映画監督や作家は、親しい人から距離を置かれがちなのか。せつない。
屋内の色彩設計が見事で、これだけでご飯何杯でもいける。とりわけ赤が鮮>>続きを読む
農民から見た戦国時代。謎のパートカラー演出はともかく、移動を絡めた引きの絵が堂々として素晴らしい。長い橋上を駆ける馬、合戦シーンで手前と中と奥に別の動きをさせる等。『陸軍』を連想させる場面もある。
高>>続きを読む
ダメ親父の有島一郎と袂を分ち、三姉妹はそれぞれの道へ。現実主義の長女・水谷良重、心配性の次女・倍賞千恵子、夢みがちな三女・鰐淵晴子。パフォーマーとしてのスケールは、良重が頭一つ抜けている。失ったことで>>続きを読む
まいったなぁと頭に手をやる、心優しきタクシー運転手の三船と、個性的な乗客たち。越路吹雪とのくだりは、白黒なのにカラーで見ている心地になった。
街は賑わいを取り戻しているけれど、戦争の影響が消え去ったわ>>続きを読む
彼の試みが成功するかよりも、東ドイツ国民の状況や心情の変化が興味深い。
暗闇の中の蝋燭の灯りのような映画。頼りないけれど確かにそこにあって、ほのかにあたたかい。見終わるとイモを食べたくなる。
内田吐夢は「動」の人。その力はサイレント時代に蓄えられたものだったのだな。画面内の移動や視線に持っていかれる感が強い。
お題目に挟まれる、夜の帝都をゆく車群の格好良さと、捜査を逸脱するほどの二人の感情>>続きを読む
塹壕につぐ塹壕を抜けて目的地へ。そこらに転がる死体と生者を分けるものは、運でしかないように思える。
現実とも幻想ともつかぬ長回しを撮れる環境が素晴らしい。
アンドリュー・スコットおいしい。
ミステリーとしては順当な話運びを、最後には食い足りなく感じるのは何故。笑いスレスレの恐怖場面、意味を読み取ろうとしたところで腰砕けのアイテムが愛おしい。
つくりものでない昭和のディテールがよい。電話交>>続きを読む
くろぉ〜と〜かっげ、ビシバシ!
美輪先生の美学とは異なるタイプのクセになる諸々。語りかけてくる大木実と京マチ子。三島雅夫のテンションが異様に高い。これでもかこれでもかの東京タワー。
爬虫類の位を授けら>>続きを読む
90年代のヴァネッサ・パラディの無敵さったらない。ベルモンドとドロン相手に堂々と。前半は彼女の、後半は二人のターン。
一挙一動がサマになる二人のコンビを見られるだけで嬉しくなってしまう。過去作への目配>>続きを読む
中谷一郎といつのまにそんな話に。
笠置シズ子がこれほど演技するのを見るのは初めてだが、ミュージシャンだけあって間がよく達者。おぼんとデュエットする佐川満男。現在の姿と結びつかない。前作同様ゆるさを役者>>続きを読む
♪ぼんぼんぼんぼんセシおぼん〜水谷良重のアトミック級の魅力が炸裂。車にジャマされるのかわいい。有島一郎、中村是好、渥美清ら喜劇人もたっぷり芝居。全身ヒョウ柄の中島そのみ以下、子分のキャラ立ちよし。
長>>続きを読む
多くを語らずとも伝わる。
更に下の階層を作ることで、貧しい共同体を維持しようとする人びと。境界を越えることで、生きることがより根源的な、シンプルな行為になる。夜の闇と緑の深さ。
こう来ると思う所に球の来る、俗っぽさを恐れない職人気質が気持ち良い。月丘夢路と仲代達矢を美しく撮る。腹をくくってからの主人公の言動がいい。月影千草と源造のような関係も期待してしまったが。
撮影所部分>>続きを読む