森田芳光ってこんなに瀟酒で丁寧な作品を作っていたのか。
メールのやり取りをメインに展開が構成されているのだが、それが斬新なことはもちろん、音楽もスタイリッシュかつ映像描写も丹念。
また、英字新聞を持って待ち合わせしたり、ビデオカメラをかまえてハンカチを振り合ったりといった演出もおしゃれ。
そして、感動したことが、"ほし"の思考が私の思考と重なる部分がとても多かったこと。
恋人に、なりたい自分を見つけ出したり、想像の大きさに押しつぶされるのを恐れて恋を遠ざけてしまうこと。なるべくいろいろな職業を経験したいと思ってころころ仕事を変えることとその理由。
私はまだ"ほし"のように自分を理解して素直になれてはいないけれど、なんだか嬉しくなった。