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(ハル)のunkoのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
4.1
パソコン通信の映画フォーラムで偶々であったハル(内野聖陽)とほし(深津絵里)。どことなく惹かれ、映画フォーラムだけではなく、個人間でメールのやり取りをするようになる。
ほしは現実では友人の戸辺に半ストーキングされており、ネット上では男性と偽り会話に参加している。
身の内を話していくうちに、次第に仲が良くなっていく2人。現実での恋愛や結婚感を相談していくうちに…。

90年代はネットでの出会いはまだ今ほど認知されているわけではなく、親にも内緒にするほどのものだった。
その為、お互いの信頼関係やましてや恋愛感情などは緻密に積み上げていくしかない。それがこの時代の恋愛で、今の時代に観るとシミジミする。
マッチングアプリが普通になった昨今、一周回ってかなり面白い。

そのため、本作では映像の半分ぐらいはメールの文章や映画フォーラムのチャット画面で展開されていく。
さながらゲームのサウンドノベル(95-96年には爆発的流行だった)のような画。
また途中やたらと村上春樹を強調するのだけど、森田監督のインタビューによると、ほしのキャラクター設定が村上春樹が好きそうな設定からこの話がスタートしているらしい。

「恋愛は、もう一人の自分を選ぶことなんじゃないかと思っています。
こういう自分になりたいな、こういう自分だったら、なんて恋していく。」(^ー^)
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