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まくをおろすな!のrieslifeのレビュー・感想・評価

まくをおろすな!(2023年製作の映画)
4.0
演劇ユニット30-DELUXの主宰である清水順二さんが初メガホンをとった、舞台作品が元になっている新解釈の時代劇です。
(監督ご本人も重要な役でご出演しています)
舞台作品やミュージカルを数多く経験してきた(多すぎて書ききれない)ふぉ~ゆ~の越岡裕貴さんが紀伊国屋文左衛門、
「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」「魔進戦隊キラメイジャー」などのドラマや特撮作品で活躍する工藤美桜さんが近松門左衛門を演じ、
他にも歴史上の人物が数多く登場する、 バラエティに富んだ内容になっています。

現在の肩書や職業や立場からくる関係とは別に裏設定があるような感じで、
表向きの関係性とは違うものが描かれているところが興味深かったです。
伏線回収が(切ない展開でもあるんだけど)小気味いいです。
(そしてまだ回収されていないものがあり…それは映画なり舞台なりの続編につながるのでしょうか…という淡い期待を抱いています)
舞台出演経験多数の面々が繰り広げる人間関係も、役を演じていない時の関係性が垣間見えてそれが楽しく思えたり、
精神的にハードなシーンもあるけれどコミカルなシーンも多く、
観ている側を飽きさせない展開だと思いました。
こういう言い方は失礼になってしまうかもしれないけれど、
お茶の間で瞬間的に消費される存在とは違う実力(これは出演者だけではなく、映像を作るにあたり関わった方たちを含みます)を上映時間のあいだにひたすら浴びるような、
今まで体験したことのないような感覚でした。
歴史上の人物が登場する、古い時代背景ではあるけれど
やっていることは新しい、と思うので、
「新し物好き」におすすめの映画です。
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