ぺんじん

ドント・ウォーリー・ダーリンのぺんじんのレビュー・感想・評価

3.9
うーん、舞台設定も面白いし、後半のアッと言ってしまうような展開も面白いんだけど、なんだか惜しい…フェミニズム的なテーマも考えられているだけにもったいない…
50年代中西部アメリカのような雰囲気がする舞台設定。この砂漠の中にある新興住宅街ではどの家庭でも、夫はバリバリ仕事、妻は夫のために完璧な家事をこなすという古めかしい感じなんだけど、どの家庭もなんとなく幸せそうに過ごしていた。でもその陰では…といったお話。
黒人女性が突然叫び出すシーンとかも含めて、どこかジョーダン・ピールの『ゲット・アウト』や『アス』を意識したような感じ。そう考えるともうちょっとブラックコメディ感が欲しかったところ。
後半の真相に近づいていく展開は雰囲気がガラッと変わる展開で楽しかったんだけど、でもその後の展開が単調というか、展開が広がって行かなかったのがやっぱり勿体無い。
折角彼女たちが住んでいる世界の背景が明らかになったのに、そこからその世界の構造だったり、男性/女性の支配/被支配関係まで話が広がらず、結局夫と妻の話に収まっちゃうのが惜しい…
それでもフローレンス・ピューの孤軍奮闘は良かったし、どこか怪しげな新興住宅街とその人間関係の人工的な不自然さも良かった!
あなたは一体どこに閉じ込められているのか…ゲットアウト!
ぺんじん

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