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ドント・ウォーリー・ダーリンのたのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

こういう「おかしいのは私の頭か世界か」みたいな設定、すごく面白くて好き。
いい意味でストレスの溜まる映画だった。
私は事なかれ郷に入っては従う主義だから、何かおかしいと思っても夫から「それは俺も正直分かってるけど、この生活を守るため」とか言われたら絶対「ああそういう感じね、了解」ってなっちゃうと思う。パーティーの時も不満や疑問をガツガツぶちまけたりしないで、もう何も分からないなら分からないなりに現状を楽しむ。
だからアリスのなんでも解明したがる感じは全然理解できなかった。作中でも言われていたけど、本当になぜなぜ期の子供みたいで鬱陶しいなとすら思った。バニーから逃げろって言われた時も「待ってよ知ってるって何?」って。今それそんなに重要?フランクが作った世界で男たちはみんな真実を知っているんだとしたら、妻側でも1人くらい同意の上で来ている人がいてもおかしくないと思うの。なんでも確かめないと気が済まない性格って本当は素敵な事なんだろうけど、私には合わなかった。

でも当たり前だけどアリスは全然悪くない。
ジャックがクズすぎる。
勝手に人生と生き甲斐を奪って「幸せにしてやった」って、自分のエゴに相手は絶対に感謝しているだろうなんて子供みたいな発想、ある意味人生が楽そうでいい。
現実世界では格好もだらしなく、アリスへの理解もななく、何も魅力のない人間だったから、プログラムされた世界に妻を閉じ込めておくしかアリスを繋ぎ止めておく方法がなかったんだろうけど。
そしてそれは他の夫たちもそうなんだと思う。
つまり、実力も魅力もない人間たちが威張るための世界だったわけなのだから、最後は妻たちに反撃されても仕方ない。

でもなんだかちょっとモヤる終わり方だった気もする。
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