ヒムロ

ドント・ウォーリー・ダーリンのヒムロのレビュー・感想・評価

4.2
1950年代アメリカのとある砂漠の中にある都市。
ビクトリー社が管理するこの完璧な理想都市「ビクトリー」ではビクトリー社に勤める夫とその妻が暮らしている。
ある日隣人のマーガレットが「みんな騙されている!」と言い放ち、子供と共に失踪。
それを機にアリスにも、不可思議な出来事が周りで起きるようになる…。


ディストピアっぽい世界観だなぁと思って見てみたが、かなり偏ったディストピアで設定が面白かった。
男性至上主義的な社会ではあるが、女性たちも幸せそのものといった感じで暮らしていて、まさに新世界を作り上げた勝者といった感じの世界観には惚れ惚れする。

所々に現れる意味不明な演出がラストへの伏線になっていくのだが、この映像がすごい。
幻想的なものや幾何学的な配置のものなど、映像としての美しさと不気味さ、意味不明さを内包していて、それでいてバグなのか幻覚なのか判断がつかない。
アリスの立場で見ていると一体おかしいのはどっちなんだと混乱してくる。

冒頭の出勤シーンなど非現実的な演出も「美しさ」を重視する世界観なので全然成立する。

ビクトリー計画。
ずさんな部分もあったが、あの世界ではそのまま事業が成功しそうな予感もしないでもない計画だった。
ヒムロ

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