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ムーラン・ルージュのいのネタバレレビュー・内容・結末

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

苦手だ…!と思って、努めて好意的に捉えようとした結果、かえって多くの良い点が見つかった。

良い点
・わかりやすい明→暗の構造。大団円の直後に奈落が待っている。暗転で終わるのは予想してなかった。
・そのうえで、「悲劇を表現に昇華する」という救いが提示されていたのもよかった。
・サティーンの病が転換点としてさまざまな機能を有する。時間的な転換、ストーリーの転換、光の転換(これを境に青い光がふんだんに使われる)。
・照明の使い方が全体的にうまい。スポットライトひとつのタンゴのシーン、赤と青の対比など。
・(推測)サティーンの口の開閉が嘘をついているかいないかのサインになっている?
・「愛=嘘をつけなくなる状態」を示すのにサティーンの俳優という役割が生きる。
・"hold me"が前後半で違う意味を持つ。
・19世紀末の話に現代の音楽を織り込む発想は面白い。ニルヴァーナとエルトン・ジョンが特によかった。
・ふたりの歌がうまい!

微妙な点
・試みは面白いけど、同じ曲が繰り返し使われるので、やっぱり既存の音楽に力を借りている印象が否めなかった。ただ、前後半でアレンジが違う曲もあってそこはよかった。
・公爵の動機が性欲しかないので、彼が痛い目にあっても特にすっきりしない。
・サティーンの内面が掘り下げられている一方で、クリスチャンの動機が不明瞭。
・「劇は2人が結ばれることを示唆している」というのは観れば分かるので、わざわざセリフで説明しなくてよい。
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